高知には沢山の酒蔵があるが、この酒が一番好きな味を出してる。
今回の旅でも亀泉は美味しくいただいてきたよ!
この酒は酵母cel24を使っているらしく、果樹の香りが強いのか?
日本酒度はマイナス14と極端である、本来の日本酒からは大きくかけ離れた位置付けである。
この数値の意味するところは、水との比重を比べた数字なので、甘み成分が豊富に含まれている様である。
酵母cel24はカプロン酸エチルを産生するらしく、これが果実の香りらしい!
学生時代に有機化学の研究室なので、本来なら知らなきゃいけない事だったよ。
芳香性のエステルで、アルコールのヒドロキシル機の持つ化合物と有機酸の結合反応で生じる化合物らしい。
麹菌により米の澱粉が分解され単糖のグルコースに分解され、それ以外の有機酸の成分が生じて、
cel24はアルコール発酵させてアルコールと有機酸から香り成分も生成する様である。
本来の日本酒の味からすると甘すぎる亀泉、さらに芳香性エステルを含むのは昔は異端と評価されるが
世界に日本酒を広める上では、辛口の日本酒度が高い日本酒では外人の口に合わないと思ったのか?
ブドウで作ったワインに寄せて、日本酒度を下げた甘口、芳香性の高いカプロン酸エチルを含んだ日本酒
はワインに近い味付けで飲みやすい。これは外人でも日本酒に馴染みやすい。
日本酒は製造過程で原酒を濾して、透明度を追求して水の様な比重を追い求め、
和食の煮物、焼き物、刺身、汁物の味を引き出すために、余分な成分をことごとく切り捨てて
爽快な喉越しの辛口が好まれたと思う。日本酒は寂に徹した酒だった!
しかし、醸造の過程で生じる、甘み、その他の生成物の旨み、香りを単純に楽しむために
濁酒があるわけです、日本酒が味を主張するので、高級料亭の日本料理には合わないね!
庶民が食べる味付けの料理には、濁酒も美味しいと私は思う。
本来の日本酒、濁酒、近年の日本酒はワインには無い詫びがある。ワインには樽で熟成して味の変化楽しむ寂がある。
日本酒もワインも美味しい事に変わりはないけどね!
今日も生きてる。 元空